海外流通
韓国の価格表示と販促慣行、値決めの順序
韓国では表示価格より先に値引き幅を決めます。表示価格に含まれると読まれるもの、まとめ買い・おまけ・クーポンの違い、販促が多い売り場と少ない売り場、そして最初の価格を決める五行の順序を表にまとめました。

韓国で価格を決めるとき、先に決めるのは表示価格ではなく値引き幅です。この市場では販促が頻繁に行われ、何度も目にした販促価格がその商品の値段として記憶されることが多くあります。表示価格を先に決めて後から下げると、数か月後に元の価格へ戻したときに値上げしたと受け取られます。値引きした後でも残る金額を先に立て、そこから逆算して表示価格を決めます。
表示された価格には何が含まれていると読まれますか
販売画面に大きく出ている数字は、おおむね「決済画面で支払う金額」として読まれます。送料はその数字の外に別記され、決済段階で金額が増えると問い合わせが増えます。何を含めて表示するかは国ごとに規定が異なるため、あらかじめ確認しておきます。
税がどのように付き、どう表示されるかは販売の形態によって変わります。国境を越えて一件ずつ発送するのか、韓国内に在庫を置いて売るのかで、確認する先が変わります。税率を覚えるより、確認先を決めておくほうが長く使えます。
| 価格を構成する項目 | 表示価格の中か | どこで確認するか |
|---|---|---|
| 上乗せされる税 | 表示規定によって分かれる | 所管機関の案内 · 現地の税務代理人 |
| 国内の配送料 | 多くは外 · 別に表示 | 出店チャネルの出品者向け案内 |
| 輸入段階でかかるもの | 販売条件によって分かれる | 通関業者 · 関税の所管機関 |
| チャネル利用料 · 決済手段の取り分 | 外 · 出品者の負担 | チャネルの契約書 · 精算案内 |
| 返品時の送料 | 外 · 理由により異なる | チャネルの返品規定 |
長く使う列は三つ目です。料率はよく変わりますが、確認先はほとんど変わりません。
まとめ買い・おまけ・クーポンはどう違いますか
三つとも「安くする」ように見えますが、価格に残る跡が異なります。まとめ買いは数量を増やして一個あたりの金額を下げ、おまけは価格を据え置いて付くものを増やし、クーポンは価格を据え置いて決済段階で差し引きます。表示価格を守れるのは後の二つです。
| 手段 | 表示価格は | 採算から引かれるもの | 決める前に確認すること |
|---|---|---|---|
| まとめ買い | 構成が変わり新しい価格 | 原価 × 数量 · 包装の変更 | 一個あたりの金額が計算し直され記憶されるか |
| おまけ | そのまま | おまけの原価 · 容積の増分 | おまけも表示・認証の対象か |
| チャネル主催のクーポン | そのまま | 出品者が分担する分 | 誰がどれだけ負担するか |
| 出品者発行のクーポン | そのまま | 値引き額の全額 | 期間 · 併用の条件 |
| 決済手段の販促 | そのまま | 多くは出品者の外 | 精算にどう反映されるか |
まとめ買いは手間が少ない代わりに跡が長く残ります — 一個あたりの金額が一度計算されると、それが基準になります。単品を売り続けるなら、数量を増やすだけでなく中身を変えます。
販促が多い売り場と少ない売り場はどこですか
売り場ごとに販促の周期が違います。複数の出品者が一つの画面に並ぶ売り場ほど販促が密で、自社の画面だけで売る売り場ほど周期を自分で決められます。最初にどの売り場を開くかが、価格をどれだけ頻繁に動かすことになるかを決めます。
| 売り場 | 販促の周期 | よくある形 | 価格を守る方法 |
|---|---|---|---|
| 出店チャネル — 複数の出品者が一画面に並ぶ場 | 密 · チャネル主催の企画が繰り返される | クーポン · まとめ買い | 参加する企画を先に選び、年間の回数を決めておく |
| 自社サイト | 自分で決める | 会員特典 · おまけ | 表示価格は据え置き、特典で差をつける |
| 実店舗 | 店舗の予定に従う | おまけ · 実演 | 中身を変えて単品の価格比較を避ける |
| ライブ配信販売 | 放送時間に限る | 数量限定 · まとめ買い | 放送用の構成を別に作り、通常価格と切り離す |
どの売り場でも、今回だけのつもりで始めた販促が翌月も行われれば、その時点からそれが通常価格です。参加をその都度決めず、年に何回参加するかを先に書いておきます。
なぜ販促価格がその商品の値段として記憶されるのですか
人は最後に見た金額を基準に次の金額を判断します。同じ商品を複数の画面で繰り返し目にすると、この基準は早く固まります。元の価格に戻すと値上げと読まれ、次の販促を待つ人が増えます。
そこで最初の価格は次の順で決めます。料率の欄は空けたまま確認先だけを書いておき、条件が決まってから埋めます。
| 順序 | 何を埋めるか | どこで確認するか |
|---|---|---|
| 1 | 手元に届くまでの原価 — 製造 · 包装 · 国際運賃 · 輸入費用 · 現地保管 | 見積書 · 通関業者 |
| 2 | チャネル利用料と決済手段の取り分を空欄として置く | チャネルの出品者向け案内 · 契約書 |
| 3 | 返品 · 交換で戻る分を比率の欄として置く | 最初の3か月の実件数で埋める |
| 4 | 年に何回、何%まで下げるかを先に決める | 自社で決める |
| 5 | 4を適用しても残る金額があるか確認する | 1~3の合計と比べる |
五行を埋めれば表示価格は計算から出てきます。残らないときは、表示価格を上げるより先に4の値引き幅を狭める方を見ます。
国ごとに違う価格を使うと何が起きますか
価格が国ごとに違うのは自然です — 運賃 · 税 · 流通の段数が異なるからです。ただし画面は国境を越えます。別の国の自社サイトの価格をそのまま見て来る人がおり、差が大きいとその国で購入して韓国へ持ち込み売る流れが生まれます。価格を揃える必要はありません。代わりに三つを用意します。
- 差の根拠を一枚に書いておきます — 運賃 · 輸入費用 · 流通の段数。流通を担う側が最初に尋ねるのがこれです
- 国ごとに容量 · 数量 · 構成品を変えれば、価格が一対一で比較されなくなります
- ある国で常時値引きを行うと、他の国で流通を担う側がそれを根拠に条件を出し直します。値引きの計画は一つの表にまとめます
表示価格を変える時期も先に決めます。運賃や為替が動くたびに直すと、価格が揺れるという印象だけが残ります。半年に一度のように周期を決め、そこでまとめて調整します。
今日やること
商品を一つ選び、上の五行の表を書いてみます。1の欄は今わかる金額で埋め、2と3の欄は数字ではなく確認先だけを書きます。4の欄に「年に何回、何%まで」と書けば、表示価格が一行で出てきます。30分で終わり、この一枚がチャネルや流通の商談でそのまま使えます。


