ブランドインキュベーション
韓国で使うブランド表記の決め方
韓国で使うブランド表記には、原語のまま・音をハングルで・意味から新しく、の三つの道があります。それぞれいつ選ぶか、音を写すときどこでずれるか、二つを併記するときどこに何を書くか、決める前の確認順序までまとめました。

韓国で使うブランド表記は、代表となる表記を一つ決め、残りを補助に回す作業です。道は三つ——原語のまま使う・音をハングルで書く・意味から新しい名前をつくる。多くの場合は原語を残したうえで、ハングル表記をもう一つつくって併記します。決めずに置くと、販売画面・記事・お客様がそれぞれ別の書き方を始め、後から一つにまとめるのに何倍もの時間がかかります。下の順に進めれば一週間で決められます。
三つの道は何が違いますか
名前が変わる範囲が違います。原語のままなら文字は変わらず、音を写せば文字だけが変わり、意味からつくれば名前そのものが変わります。
| 道 | 書き方 | 強い場面 | 手がかかる点 |
| 原語のまま | 本国の表記を変えません | ロゴ・パッケージ・書類が一そろいで保てます | 呼び方が人によって割れます |
| 音をハングルで | 発音をハングルに写します | 呼びやすく、探す言葉が一つに集まります | 候補が複数出て一つ選ぶ必要があります |
| 意味から新しく | 意味を生かして韓国語の名前をつくります | 意味がすぐ伝わり記憶に残ります | 名前を二本立てで管理することになります |
三つは排他的ではありません。実際には原語を代表に置き、ハングル表記をもう一つつくる組み合わせが最も多くなります。三択の問題として見ると決定が長引きます。
それぞれどんなときに選びますか
基準は好みではなく、名前の形と使われる場所です。
- 原語のまま——ラテン文字3〜7字と短く、読み方が一つに収まる名前。パッケージとロゴを国ごとに変えられない場合。
- 音をハングルで——名前が8字を超える場合や、原語の発音がなじみのない場合。放送・動画・電話応対など声で呼ぶ場面がある場合。多くはここから始めます。
- 意味から新しく——音を写したら韓国語で別の意味に読まれる場合。ハングルで8字を超えて呼びにくくなる場合。同じ音で読まれる名前がすでに広く使われている場合。
新しくつくる道は最後に検討します。新しい名前は本国の名前とのつながりが切れるため、原語で探して来た人が同じ会社だと気づけません。つくる場合は、二つの名前を並べて記す場所を必ず用意します。
音を写すとき、どこでずれますか
韓国語には原語にある音のうち存在しないものがあり、原語にない決まりがあります。ずれる場所はおおむね六つです。
| ずれる場所 | 起きること | 決めるときにすること |
| ない子音 | 別々の原語の音が同じハングル一字にまとまります | 同じ表記になる別の名前がないか確認します |
| 続く子音 | 間に母音が入り字数が増えます | 増えた字数を数え、8字を超えるなら短縮形も用意します |
| 語末の子音 | 弱くしか鳴らなかった音が一字を占めます | 末尾の一字を落とした表記も候補に残します |
| 割れる母音 | 同じ音が二つ三つの候補に分かれます | 実際に読まれる方を数えて一つに決めます |
| アクセント | 表記から消え、別の名前と近づきます | 声に出して読み、区別がつくか確認します |
| すでに使われている表記 | 自社の表記と市場の表記が違います | どちらかを代表に決め、もう一方は併記で吸収します |
最後の行が最もよく引っかかります。表記を決める前に製品が先に入っていると、市場の表記はすでに固まっています。このときは自社の表記を押し通すより、すでに使われている方を代表に据える方が早く進みます——人の呼び方を変えるには、はるかに長い時間がかかります。
二つを併記するとき、どこに何を書きますか
代表表記一つ・補助表記一つに固定し、場所ごとに先に来る方だけを決めます。併記——二つの表記を並べて記すことです——の順序を書類ごとに変えると、二つの名前が別々のブランドとして読まれます。
| 使われる場所 | 先に置く表記 | 理由 |
| ロゴ・パッケージ | 原語 | どの国で見ても同じ製品に見える必要があります |
| 販売画面の商品名 | ハングル(原語を併記) | 読んで探す言葉がハングルだからです |
| 動画・放送の字幕 | ハングル | 声で呼ぶ場面だからです |
| 契約・登録書類 | 原語の正式名称 | 書類は登録された文字と一致させます |
| 交流サイトのアカウント | アカウント名は原語・表示名はハングル | アカウント名は変えにくく、表示名は変えられます |
| インターネット上の住所 | 原語 | 住所欄はラテン文字で書いておく方が安全です |
一つの画面の中では、併記は最初の一回だけにします。以降は代表表記だけで進めます。毎回二つ並べると商品名欄が切れ、見出しも後ろが消えます。
決める前に何をどの順で確認しますか
五段階です。順序を入れ替えると、後で覆る事態が起きます。
| 順 | 確認すること | どこで・誰に |
| 1 | すでに使われているハングル表記があるか | 検索ポータル・販売画面・記事で名前を探します |
| 2 | 人が実際にどう読むか | 韓国語話者10名に原語の名前を見せ、言った通りに書き取ります |
| 3 | 別の意味に読まれないか | 韓国語を母語とする人に候補を声に出して読んでもらいます |
| 4 | 商標として使えるか | 商標情報の公的な検索窓口で調べ、弁理士に確認します |
| 5 | 字数制限に収まるか | 各チャネルの商号・商品名の入力欄に実際に入れてみます |
4番は自分で判断しません。検索して似た名前が出ることと、登録できるかどうかは別の問題で、その判断は商標を代理する資格を持つ人——弁理士——が行います。候補を3つに絞り、検索結果を添えて渡すと確認が早く進みます。1〜3番は三日で足り、4番は返答を待つ時間が別にかかります。
今日やること
原語のブランド名を紙一枚に大きく書き、韓国語話者10名に見せて聞こえたとおりにハングルで書き取ってもらってください。30分で終わります。表記がいくつに割れるか、その中で最も多く出たものは何か——それが今日の結果です。一つに集まればそれが代表表記、三つ以上に割れるなら、音を写す代わりに意味から名前をつくる道も併せて検討します。


